【旧作100円】ビックリもストーリーも楽しめる!良作実話ホラー【死霊館 エンフィールド事件】
ども!アリーです!
ずっと見たかった「死霊館」の続編、「死霊館 エンフィールド事件」を見てみたら、予想以上の良作だったので、ちょっと語らせてください。
※今回、霊の標的になってしまったホジソン家の次女、ジャネット。
ちなみに実話が元だし旧作だし、ネタバレめっちゃするかも知れない。気をつけて!
てゆうか、先に言っときたいこと。前作から思ってたんだけども、この「死霊館」って日本語タイトル、ほんとにちょっとこの映画の良さ消してる。
確かに、
「エクソシスト」※夜の階段と廊下が怖くなる
「パラノーマルアクティビティ」シリーズ ※4の首振りカメラのシーンが好き
「アザーズ」※ちょっと視点を変えてくれる作品
「悪魔の棲む家」※この映画の冒頭10分くらいのシーンと元ネタが同じ
「エクトプラズム 悪霊の棲む家」※現象の理由がしっかりしてる
「インシディアス」シリーズ ※この映画と監督が一緒(あの有名な「ソウ」も)
などなど歴代のホラー作品に多くある、”お家で起こる”ホラーなんだけども。わたし自身、色々見すぎてどの映画のシーンか分からなくなったりするけれども!
「死霊館」て。どこにでもありそうなB級ホラー感出ちゃってる。デジャブすら感じる。
原題は「The Conjuring」。conjureは「霊を呼び出す、霊に命令する」とかって意味があるんですね。
※映画の中で、ウィジャボードが出てきます。海外版こっくりさん。
このシリーズの主人公は、実在する心霊研究家のウォーレン夫妻。特に奥さんのロレインは霊視ができるという強者。つまり、原題の通り、この夫妻がエクソシスト的な活躍をして、霊に「出ていけ!」っていう流れがあるわけで……
って、え…っと、もしや、その流れが予想される=ネタバレになる、と警戒して、敢えて内容をぼかした邦題をつけたの、かな…?
いや!まさか、そんなはずはない。そこを警戒するなら、Blu-rayのタイトル画面の画像、あっちの方を変えるべきだと思うな~!だってあれ、クライマックスのど真ん中のシーンじゃないですか?そっちの方が、わたし気にするな~!
※これこれ
うん、もうほんとしょうもないことで文句つけながら、この作品の流れは伝えられたところで、本題です!
ちりばめられる「愛」
この映画の「夫婦愛」「家族愛」「隣人愛」が素敵すぎるので、ホラー苦手なひとにも、できれば見て欲しい。びっくりする場面はあるけど、ジャパニーズホラーと違って後には引かない恐怖だから。笑
ウォーレン夫妻がカッコイイの。お互いを想い合って無事を願いながらも、自分たちが手を差し伸べることで助けられる人がいるなら、身の危険を顧みないで尽力する姿とか。
それに、ホジソン家の家族みんなが優しい。離婚しちゃってお父さんいないなくて、お金ないけど、ビスケットが大好きな末っ子のために禁煙してビスケット代を作ろうとするママ。吃音の末っ子がいじめられてたら、そのいじめっ子を撃退して、吃音の克服に一緒に歌を歌う長女と次女。最初影が薄いけど、家族を守ろうと霊に立ち向かう小さな長男坊。みんなの支え合ってる姿を見てると、応援したくなる。
※みんなこのときすかした顔してるけど、いい子たちだよ!w
お向かいさんは、家が怖くて住めなくなった家族をかくまうように住まわせてくれたり、ご近所さんは霊に対抗できるようにたくさんの十字架を寄付してくれたり(残念なことに効果はなかったけれども)。
そして、印象的だったのが、英国心霊調査協会(心霊現象を科学的に検証する立場)のモーリス・グロスと、ロレイン・ウォーレンの会話。
※左から、ロレイン、グロス、音声さん
グロスが「この事件はすごい!霊の存在が証明できるぞ~!うほほ!」ってことを言うんですが、それに対してロレインが
「あなたは有名になるために仕事をしてるの?わたしたちはあの家族を助けるためにがんばってるんじゃないの?」
とちょっとイラっとした感じで突っ込むんですね。
このとき、わたしも、「そうだそうだ!仕事は自分が有名になるためじゃなくて、人を喜ばせたり、助けたりするためにやったほうがカッコいいぞ!」とか思ったんですけど、それに対してグロスが
「実は、娘を亡くしていて、ふとした時に娘の気配を感じることがある。もし霊がいると証明できたなら、あの気配は本当に娘だと思える」
って話を打ち明けてくれるんです。
もうね、それを聞いてね、「ああグロスごめん~~あなたにはあなたの強い信念と愛情があっての言葉だったのね。。有名になりたいだけのミーハーなやつって判断しようとしてた…」って恥ずかしくなりましたよ。
人を見るときは、一つの視点で決めつけちゃダメだな、って。
それでいうと、この事件。
この映画では、もちろん「霊の仕業だ!」っていう視点で描かれているんですが、世論としては懐疑的な見方もあったようです。
※あの有名なデカルトさんもいろんなこと疑ってた。
「お金が欲しい母親のでっちあげだ」
「子供の悪ふざけだ」
っていう意見もあったわけですね。
推理小説とか見てて思うんですが、私的には「どんな証拠も覆される可能性は0%じゃない」という考えがありまして。1つトリックを暴いてどんでん返しが起こっても、もっと賢い人がいたら、それをもう一度覆すこともできてしまうんじゃ?なんて考えて悶々としてしまうんです。
だから、科学技術を使ったり、情報や感情を操作をすれば、真実は捻じ曲げることができるだろう、と。ほら、マスコミとか上手ですし。
映画「エミリー・ローズ」は、【裁判で霊の存在が認められた】という触れ込みの、実話を基にした映画でしたが、実際には【この状況をどう捉えるか】という検察と弁護士の対決でした。
見る視点が違えば、結論が変わる。そんな結論ってすごく曖昧なものだなぁと思ってしまいませんか?
たとえば、目の前で困っている人、苦しんでいる人がいたとして
その人のことを信じたい、助けたいと思えるかどうか
で、見る視点、起こす行動が変わってくると思うんです。
この人のこと信じられないと思ってその人の表情を見たら、「演技かも知れない」って疑うことができるわけです。
だけど、今回の映画のホジソン家の人々は「演技だなんて思いたくない」「助かって欲しい」「幸せになって欲しい」って思える人たちでした。
ロレインの霊視だって、疑おうと思えば疑えるけれど、「その能力がホンモノであってほしい」「それで助けが必要な人を救ってあげて欲しい」と思えたから、ロレインを応援したくなるのです。
真実はどうかは、自分が何を信じるかによっていて、絶対的な真実なんてないんじゃないか…
わたしは、愛するひとを信じられるだろうか?もし疑わしくても、助けようと覚悟できるだろうか?
そんな、ちょっと謙虚な?気持ちにさせてくれる映画でした!
みなさんも、ドキドキゾワゾワびくびくしながら、人間模様を楽しんでもらえたら、これ幸いです!
ではでは、また~!!