じんせいの攻略本(になりうるかもしれない)

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【高齢出産妊活】体外受精の流れや方法、その妊娠&流産&出産の確率…実際に計算してみた!【体外受精の確率】

ども!アリーですっ!
 
 
さてさて、今回は世の中に同士がいっぱいいるお話です。
 
そう、キング・オブ・妊活!「体外受精について語ります!
 
 
 
 
しかし、その同士の多くが求めているのは、優しい雰囲気で、多くの人が共感できる女子力高めの記事だと思うのですが…わたしにはその雰囲気を出すことが難しくてですね。
 
 
今回は、マッドサイエンス的な現代科学の力と、それが及ばない生命の神秘に恐れと興味と有難みを感じながら、
 
妊活の全体像と確率についてもろもろを整理してまとめてみました!的な記事になります。
 
 
きゃぴっとした女子がポカーンとする内容になること間違いなし!
 
「いや、わたしはデータが欲しかったのだよ、キミ」という殊勝な?方、どうぞ知りたい項目を選んで読み進めていただければと思います。
 
 
 
 
 

わたしの現在までの流れはこちら↓

2019年1月 妊活開始!
2019年2月~5月 タイミング療法1~5回目
2019年6月 子宮筋腫MRI検査→子宮内膜症発覚(手術せず妊活続行)
2019年6月~8月 タイミング療法6~8回目
2019年9月~2020年2月 ピルで休憩期間
2020年2月 タイミング療法9回目
2020年3月 人工授精1回目
2020年4月 タイミング療法10回目(コロナの影響もあり人工授精はなし)
2020年4月 人工授精2回目
2020年5月 AMH検査→卵の残数極少発覚(45歳以上の水準)
2020年6月 体外受精に向けて行動開始!
2020年8月 体外受精1回目(採卵&授精&培養&凍結)
2020年9月 体外受精1回目(移植)
 
 

関連の過去記事はこちら↓

 
 
 

これを知らなきゃ始まらない!体外受精のおおまかな流れ

元々いたクリニックは体外受精をやっていないということで、不妊治療で名の知れたクリニックで受けることにしました。

 

通院にかかる時間的には、今まで10分だったのが40分になりました。もっと遠くからやってきている人も多いようです。やっぱり体外受精ができるところって、少ないですね。

 

 

今までのクリニックでの検査結果(血液検査やMRI検査、だんなさんの精液検査などなど)を持っていくと、やってある検査は省いてくれたりしてとっても有難いです。高齢出産は、タイムリミットとの勝負…タイムイズマネーですから。重複した検査に時間を取られたくないというアラフォーの心をよく分かってらっしゃる!

 

(自分で書いといて、”アラフォー”という文字の破壊力に驚きました)(わたし、めちゃくちゃ大人やん…)(永遠に追いつかない精神年齢)

 

 

①採卵

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最初は、採卵→授精→培養→凍結までが1つの山場です。

 
生理中に排卵を止める薬を注射して、採卵までの10日間ほど、毎日3回の点鼻薬と1本の注射で女性ホルモンを補給します。そうすることで、本来なら月に1つしか大きくならない卵が、何個も大きくなって、1度にたくさん採卵できるというわけですね!
 
多い人は10個、20個と採れることもあるようです。ここが、AMH(卵の残数)の値によって変わってくるところですね。
 
採卵のときは、卵巣に針を刺して卵を吸い出すという手法です。つまり、育ってる卵の個数=針を刺される回数。そう考えるとなかなか怖い。麻酔なし、局所麻酔、全身麻酔とクリニックによって違うんですって。
 
 
 
わたしは人生初の全身麻酔で採卵しました。
 
点滴に繋がれ、痛み止めが流れ、ちょっと力が抜けてきた…と思ってたら「じゃあ麻酔入れますね~^^」と。
 
「え、もう入ってると思ってました。なんかすでに眠いような…?」と聞くと、痛み止めも鎮静作用があるからだと教えてもらいました。聞いたことをちゃんと説明してくれる病院で信頼でき、る…
 
気づくと ”はっ!一瞬意識とんでた!” と目覚める感覚。まさに授業中に寝てカクッってなる、あれです。あれ。
 
すると30分ほど時間はすぎていて、採卵が終わっているという。
 
 
え、わたしそんなに寝てたの…??ってくらい、ほんとに意識がなくなるのってこういうことなんだ、という貴重な体験をしました。
 
 
 
 
 

②授精

ソース画像を表示

そして採卵した卵は、すぐに授精させます。
 
 
授精の方法は2つ。
体外受精:その朝に出たほやほやの精子を振りかける方法
顕微授精:凍結しておいた精子を解凍して元気な1匹を卵子に入れる方法
 
※「受精」の中でも、特に人工的な処置は「授精」と表記されるみたいです。
※全然関係ないですけど、「振りかける」って、なんだかポップな響きですよね。ちゃんとしたクリニックの説明文でも使われてるのですが、だんなさんが気に入ったようで「おれの、ふりかけ扱い?(・∀・)」と楽しそうにしていました。
 
 
体外受精」で授精する確率は80%程度。そして、「顕微授精」の確率は諸説あるようですが、わたしが通っているクリニックでは「体外受精よりも受精率が高い」ということだったので、そっちを選びました。(貪欲に確率を求めるスタイルでやっています)
 
クリニックによっては体外受精と変わらない確率だったり、むしろ低く算出されたりするようです。
 
 
 
顕微授精のメリットとしては、当日の精液が要らない(事前に採取したものを凍結しておける)ので、だんなさんのスケジューリングが必要ないというところですかね。
 
デメリットとしては、男性側に不妊の要因がある場合、選び取った1匹が同じ要因を持っていると子供に遺伝してしまう、ということが挙げられるようです。
 
ふりかけ方式だったら、その子は卵にたどり着かない運命なのに、人工的に出逢せたら授精しちゃった!ってなる、のかな?(どうしてふりかけ方式はOKで、顕微授精だけそれが懸念されているのか、という原理の話は見つけられませんでした)
 
 
 
 
 
 

③培養

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無事授精した卵は、培養室で育ちます。細胞が1→2→4→…→64→128→258と分裂していくわけですね。

 

自然妊娠だったら子宮内で起こることが、培養室で起こるんですよね~不思議。培養室の卵の映像をWi-Fi経由で見れるクリニックとかもあるみたいです。

 

この受精卵、2,3日後には「初期胚」と呼ばれ、5,6日後には胚盤胞と呼ばれる状態になります。

 

 

わたしの通っているクリニックは、「基本的には胚盤胞の移植を行う」ということでした。理由はずばり、初期胚より胚盤胞の方が着床する確率(妊娠率)が高いから。

 

 

しかし、この胚盤胞まで辿り着くのがなかなか難しいというか、受精卵が胚盤胞になる確率はまったく読めないという曲者。同じ人でも、授精卵すべてが胚盤胞になることもあれば、すべてが途中で分裂をストップしてしまうこともあるという、予想不可能なドキドキのステップなわけですね。傾向として、年齢が若ければ若いほど確率は高いという、対策しようのない事実はあるようですが。笑

 
 
 
 
そういう事情もあって、採卵できた数が同じ場合、
 
・初期胚になる卵は多い→移植のチャンスが多くなる(しかし妊娠率低め)
胚盤胞になる卵は少ない→妊娠率は高い(しかし移植できるチャンスが少なめ)
 
ってことで、最終的な妊娠率は同じくらいになるという見解の記事も見つけました。
 
 
体外受精を受ける側としては、確率の低い移植を何回も受けるより、回数は少なくなっても、着床する確率が高い卵を移植したい気はしますけども。
 
まぁそれは「選べるとしたら」という贅沢な話であって。やっぱり、「何度か採卵したけど、なかなかうまく胚盤胞まで分裂が進まない!」とかなったら、初期胚の時点で凍結して移植にチャレンジしてみたい!って思いますよね。
 
 
 
 
 

④凍結

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わたしが実際に凍結した卵の様子。(写真右:5日目の受精卵。右下以外の2つが胚盤胞になっているので凍結。グレードはともに4AA / 写真左:残った1つの6日目。胚盤胞になったので凍結。グレードは5BB~5BA程度)

胚盤胞になった卵は、グレード分けされます。なんというシビアな世界。システムエンジニア時代の給与形態を思い出します。
 
 
・大きさによって「1~6」
・胎児になる細胞の質によって「A~D」
胎盤になる細胞の質によって「A~D」
 
大きさは6が1番良いのかな?と思っていたら、大きすぎても凍結に向かない(自然妊娠で着床するときの大きさを超えてしまう)ので、大きさはそこそこで良いようです。3以上に育っていれば凍結対象という基準も教えてもらいました。
 
アルファベットはもちろんAが一番良いグレードです。Dだったりすると、やはり着床する確率が低くなるので、多胎妊娠の危険性もあるけれど、2つの卵を同時に移植したり…という対応も視野に入れることになります。
 
 
 
お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、採卵した周期に、凍結せずそのまま移植もできるはすなんですよね。(新鮮胚移植といいます)
 
 
ただ、多くの場合は採卵の影響で子宮が腫れているため、次の周期を待つことになるそうです。わたしも例に漏れず腫れていたため移植できませんでした。
 
新鮮胚を移植すると、凍結&解凍を経た卵よりも「着床率は低いけど、流産率も低い」というデータが出ているそうです。結果的に出産に至る率としてはそんなに変わらないから、無理してその周期に移植する必要はない、と説明してもらいました。
 
 
 
 

⑤解凍

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実際に解凍した卵。膜はレーザーで破ってもらってるので、もうすでにちょっと出てきてる。
ここからは、凍結できた卵の数だけ、解凍→移植→妊娠判定というサイクルを繰り返すことになります。
 
ごくたまに、解凍したときに受精卵が崩れて?しまって移植できないという事態も発生する可能性があるそうです。
 

 

移植日を決めて、その朝に卵を解凍し始めるわけですが、その解凍が上手くいったか、あとどれくらいで移植できるか(解凍のスピード)などが卵によって違うということで、移植するタイミング(病院に行く時間)は卵次第。

 

移植日当日は、そわそわしながら「いまから来てください」というクリニックからの電話を待つことになります。事前に「病院に着くまでにどれくらいかかるか」を確認してくれて、解凍の進み具合から移植時間を予測して、そこから家→病院の移動時間を逆算して電話してくれます。職人技ですよね。

 

 

 

 

⑥移植

ソース画像を表示

わたしが通ってる病院の場合、35歳以下で移植した場合の妊娠率は6-7割!「確率が5割を超えてる」と思うと、いけそう!と思えて良いですよね。

 

厳密にいうとわたしはそこから外れてる(移植の10日前に36になった)のですが、誤差の範囲ってことで、なにとぞ!

 

 

 

卵の映像、子宮に管が入った映像、先生と看護師さん培養士さんが頑張ってくれてる姿を見ながら移植。10分もかかってなかったと思います。

 

この時の卵が、解凍のときよりもさらに出てきていて、まるで雪だるまでした。先生に「もらった写真より、だいぶ出てきてますね~」と声をかけたら、「生きてるからね~」と返され、ドキ!としました。

 

「生きてる」というパワーワード

 

当然なのに、ただ「受精卵」「細胞」という目で見てしまってた自分に気づかされました。はぁ~。。

 

 

そのあと、処置室から仮眠ブースまで、2人がかりで横抱きされて移動し、1時間程度横になったまま過ごします。

 

おしっこも30分は行かないでね、と念を押されます。しかしですね、「エコーはおしっこ溜まってた方が映りやすいから」と指示されて、移植前からすでにちょっと行きたかったので、地味につらかったです。みなさん尿意コントロールにはお気をつけください。

 

 

 

 

 

⑦妊娠判定

 ソース画像を表示

移植の10日後くらいに判定します。

 

それまでの間は、内服薬に貼り薬に膣剤に自己注射と、女性ホルモン剤のオンパレードです。

 

服用について説明してくれる培養士さんに思わず「すごい量ですね…ww」と言っちゃうくらいには多いです。

 

 

凍結胚を移植する場合、カラダは「え?受精なんてしてないし、ましてや着床なんて、ないない!」という状態になってるんですよね。そこに、いきなり胚盤胞キター!って感じなので、

 

カラダが「あ、受精してたんだっけ?着床ね!はいはい!」と感じるくらいのホルモン状態に力技で持っていくわけですね。

 

 

ただ、判定日よりも前に、生理予定日があるわけで。

 

「もし判定日までに生理来たら、もう薬服用ストップですか??」

 

って培養士さんに聞いたら、

 

「薬飲んでたら、生理来ません^^」

 

と。薬すごすぎか、と。有難みと恐怖を感じますね!

 

 

 

 

妊娠&出産の確率を計算してみる

いろいろ調べてみて、一般的なデータ+通院中の病院独自のデータ(治療成績)をもとに、「ここら辺が妥当かな」という数値に落とし込ませて頂きました。

 

あくまで推論で、理論値です。ただ、病院探しの際には、治療成績がこの数値より低いところは選ばない、とかの基準になるかも知れません。(理論を超えて、「ここで治療したい!」と思える魅力のある病院と出逢えたら最高ですね)

 

 

というわけで!

例として「35歳女子」の場合を考えてみます。(何歳になっても女子っていうよ)

 

 

採卵で卵が10個採れる(個人差あり、AMHの値が関係する)

 ↓

80%で受精卵になる(病院の治療成績/一般論でも同程度)

 ↓

50%胚盤胞になる(0〜100%の間を取っただけ)

 ↓

100%で解凍&移植できる(崩れるのは稀らしい)

 ↓

65%で着床する(病院の治療成績)

 ↓
15%で流産する(病院の治療成績/一般論では20%程度)

 

 

として、

 

何回移植できるのか??

 

その移植で、妊娠できる確率は??

 

その妊娠を維持して、出産できる確率は…??

 

 

 

 さて、実際に計算してみましょう。

 

 

【移植できる回数】

10×0.80×0.50×1.00=4

 

A. 移植は4回できる!

 

 

 

【妊娠できる確率】

※4回連続で妊娠しない確率の逆

1-0.35×0.35×0.35×0.35=0.98499375

 

A. 4回移植したら、約98%で妊娠できる!

 

 

えっ、ちょっと、驚きました。

思った以上に希望のある数値じゃありませんか???

 

 

 

ちなみに、

 

1回の挑戦では、そのまま65%

2回挑戦したら、約88%

3回挑戦したら、約96%

 

とおもうと、もう、2回目くらいからだいぶ現実味ありますよね!

 

 

 

 

ちなみに、1個の卵で妊娠まで至る確率

 

1×0.80×0.50×1.00×0.65=0.26

 

A. 26%

 

です!

 

 

自然妊娠の確率が2割程度って言われてますから、それよりも若干高いのが科学のパワーですかね??それともただの誤差?

 

これを卵10個分で考えると

※10回連続で妊娠しない確率の逆

1-0.74×0.74×0.74×0.74×0.74×0.74×0.74×0.74×0.74×0.74=0.9507600960264412

 

A. 約95%

 

胚盤胞になる確率を低く設定しているのが響いて、移植4回Ver.の計算よりも低く出てますが、こちらも9割超えですね。

 

 

 

 

【出産できる確率】

さて、まだ超えなければならない山があります。

 

※4回連続で妊娠しないまたは妊娠して流産する確率の逆

1-(0.35+0.65×0.15)×(0.35+0.65×0.15)×(0.35+0.65×0.15)×(0.35+0.65×0.15)

=0.9598974343359375


A. 4回移植したら、約96%で出産まで至れる!

 

 1回の移植で無事に出産までたどり着ける可能性としては約55%ですが、何度か繰り返すことで近づいていけるわけですね。

 

 



ちなみに、初期の流産の半数が卵の染色体異常。これはもうどうしようもない、その子がそういう使命を背負って生まれてきたとしか言えないやつです。自ら短い生を選んで生まれた子は、すごく徳を積む貴い子なんだ、とチベット密教のお坊さんがおっしゃっていました。

 

 

 

その次に多いのが、母体の抗体反応によるもののようです。卵を攻撃してしまう、というやつですね。流産を繰り返す場合は、「不育症」ということで薬で対応できることもあるようです。

 

妊娠後期(安定期と呼ばれるとき)の流産は、感染症などが原因になることが多いようです。 

 

 

 

体外受精の場合、自然妊娠で妊娠発覚する場合よりも、早く妊娠がわかります。それによって、流産を知る確率も上がってしまうのがつらいところ!(自然妊娠の場合は妊娠にも流産にも気づかずに過ぎる)

 

あと、体外受精する女性の年齢層は、自然妊娠よりも全体的に上がるので、受精卵の染色体異常が起きやすい=流産しやすいという現実もありますよね。

 

 

 

 

確率好きのリケジョのみなさん、いかがでしたか?

見た目は努力や化粧やアプリで詐欺できても、内臓と生殖機能は騙せません。ストイックな生活してたからって素晴らしい状態とは限りませんし。

 

 

人知の及ばない範囲というか、悩んでも後悔してもどうしようもないところに囚われるのはもったいない!今からできることに集中、集中~!!

 

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そう、スポ根精神です!(ちなみにわたしは基本帰宅部でした)